エスカパレード / Official髭男dism
現職場はFM802を流しているので否応なくJ-POPやら洋楽やら謎のニッチソングやらが耳に入ってくるわけで。
髭男もその中の1組として結構な頻度で流れてくるわけですが、最初に聴いた曲が何だったかも覚えてないしいきなり琴線に触れるようなものでも無かったしで、ハマる要素が皆無だったのは覚えてる。
確か映画の宣伝でPritenderがトチ狂った頻度で流された時期があって、歌詞とかメロディーラインがサブリミナルのように刷り込まれていって、気が付くとソラで口ずさんだりしてたからまんまとハメられてしまったという。
で、近所のTSUTAYAのレンタルコーナーで髭男のCDを探してみると、アルバム自体は何枚かあったけどPritender自体が入ったものは当時無かったんですよね。
普通に考えれば当たり前も当たり前の話ではあるんだけど、最近はアルバム先行の曲もあったりするし、何より貧乏性な自分はシングルCDを借りないというルールがあったので結局借りたのがエスカパレード。
ただエスカパレード自体も最初の1周で刺さったのかと言われると……実は半分聴き流してるような感じだったのもあってあんまり印象が残ってなかった記憶がございます。
だがしかし、通勤で小1時間かかるのを利用してリピートしてると徐々に「これは?」ってなる曲が出てきて、最終的には「お前のアルバム、完成度高くない?(cv.ふかわ○ょう)」となっていった都合の良い男が出来上がっておりました。
あれ?Pritenderの時と流れが同じだぞ?
完成度っていう点で述べると次作のTravelerの方が多分圧倒的に上なんだろうけど、Travelerは洗練されすぎてるというか「商業作品として当たって然るべき」っていう印象があって、エスカパレードから入った身としては何か違う感があったのも事実。
エスカパレードの完成度っていうのは、「粗削りな感じがしつつも1枚の作品として中だるみしない勢い」を保ててる部分にあるような気がする。
特定のバンドとかジャンルだけ入ったアルバムを聴いてると中盤~後半くらいで「この曲さっきのとあんまり変わらなくない?」っていう食傷気味な感じになることが多々あるんだけど、この作品についてはそれが無かったから余計に良い印象があったのかも?
収録曲としては、まさかまさかの2年越しで映画の主題歌に抜擢された「115万キロのフィルム」、アルバム表題の読みっぽいけどちょっと違う「ESCAPADE」、あの奇才Masayoshi Iimoriとの共作「可能性」、音も歌詞もド直球青春ロックサウンド「Driver」、変化球っぽいけどノリの良さが秀逸な「ブラザーズ」……などなど、飽きの来ない構成。
個人的にはESCAPADE、たかがアイラブユー、Driver、発明家あたりがお気に入りです。
今後も髭男の曲はリリースされ続けるんだろうし、どれもヒットを飛ばしまくることになるんだろうけど、それでもやっぱり自分はエスカパレードが好きだと言ってそうな気がする。
最初に聴いたアルバムだからっていうのもあるし、先述の勢いが気に入ってるからっていうのもあるけど、何より「若さと粗さが折り合った気持ち良さ」が唯一無二だからっていう部分に尽きるかなぁ。